ブルーピリオドという漫画はご存知でしょうか?
アニメがまもなく始まる作品で現在11巻まで出ている少年漫画です。
内容としては、何をしても優秀でセンスがありクラスカースト上位の主人公八虎が、ひょんなことから美術の道を目指しはじめ、ライバルたちと切磋琢磨し、難関校藝大受験を目指す物語です。
簡単にあらすじを書きましたが、この漫画のとてもいいところは芸術をテーマにとてもリアルな人間模様が描かれている所です。
リアルな人間模様と聞くと大抵恋愛関係のリアルさを想像すると思います。
ですがこの漫画、恋愛要素は少なく、アイデンティティを確立するためもがく主人公とその主人公に影響される仲間たちそれぞれに、まるで生きているかのようなリアルな性格や、懸命に向き合うことへの恐怖、好きなことが嫌いになる辛さ、自分の価値観の否定が重なっていきます。
主人公だけが成長するのではなく、全キャラクターが一分一秒今この時を生きていて成長しているような漫画なのです。
これだけキャラクターが生きているように感じる漫画は初めて読みました。
私たち読者は主人公の悩んでいるシーンなどを見て、主人公が今何を考えているかを理解できますが、他のキャラクターは主人公の事を理解していません。
これは現実で当たり前のことなのですが、漫画では主人公の良き理解者が主人公の全てを分かってくれるお決まりパターンがとても多いと思います。
この漫画では主人公を中心に置いて各キャラクターがそれぞれ自分の見たい視点から彼を観察してドローイングしていて、見た目で主人公を毛嫌いしたり、主人公の努力を知らずに貶したりするキャラクターや、自分と主人公を比較して妬んだりするキャラクターもいます。
そんなキャラクター達に対して、主人公は真っ直ぐ、真面目に向き合っていきます。
そんな絵にかいた優等生、人当たりがよく完璧で欠点がないようにみえるのに、生きていくのに大切な、自分に自信を持つことができないのがまた人間味のあるキャラクターで、11巻まで止まることなく読んでしまいます。
アニメも楽しみですが、今後の漫画の展開もとても楽しみです。今一番熱い漫画、ブルーピリオドの紹介でした。
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